名古屋支部第164回例会レポート
- 牧山郁美

- 12月6日
- 読了時間: 1分
名古屋支部の11月例会(11月20日)は、大阪大学大学院招聘教授の中井敏晴先生をお招きし、『本邦における疫病流行史の連続性とその視点』と題してご講演をいただきました。
疫病の流行記録が、多くの国々では医学書などに断片的に残されているのみだが、日本では『日本書紀』などの史書にこまめに残されており、連続性のある記録は大変貴重であるとのお話を伺いました。
痘瘡ウイルスは様々な動物に存在するが、近年の分子遺伝学により、齧歯類から感染したラクダが家畜化に伴い人へ伝播し、人の遺伝情報を取り込み強い病原性を持つようになったと推定されています。
一方、牛や馬、ウサギといった動物に伝播したウイルスは、人にとって「ワクチニアウイルス」となっているという、大変興味深いお話をされました。
京都の祇園祭や会津の赤べこなどは、疫病退散を起源としており、江戸時代に描かれた疱瘡絵にはウサギや馬が登場していました。
古来より日本人は経験的に牛や馬といった動物が痘瘡を軽くしてくれる事を知っており、その願いを込めたお祭りや風習が、今も残っていることに大変感慨深い思いがしました。
今回も大変貴重な学びの機会となりました。
ご参加の皆様、ありがとうございました。










コメント